ビールを止めたら大丈夫?尿酸値を上げないお酒の飲み方。

「ビールのみたいなぁ・・・でも健診で尿酸値高かったから」と思った方。実は我慢しなくてもいいかもしれません。

この記事では、尿酸値が高い人、痛風になったことがある人のための生活について説明していきます。

尿酸値が高いと何が問題?

尿酸は血液中に溶けていますが、過剰になり溶けきれなくなると、尿酸が関節の中で結晶化して強い痛みや腫れを引き起こします。これを「痛風」といいます。

尿酸値がおよそ7.0以上になると尿酸は結晶化すると言われています。尿酸値が高い状態がつづくと、結晶は関節に蓄積していきます。

尿酸値が高ければ高いほど結晶化しやすく、特に尿酸値が9.0以上になると痛風を発症するが高いために治療の対象になります。痛風を起こしたことがある人(痛風持ちの人)は、また発作を起こしやすいので、尿酸値が7.0以上の場合は治療をした方がよいとされています。

また、尿酸値が高い方は、心臓病のリスクが高いことも知られています。

そもそもプリン体って何?プリン体と尿酸の関係

プリン体は細胞を構成する重要なエネルギー物質であり、細胞の新陳代謝やエネルギー消費によって、体内に放出されます。そして、プリン体は肝臓で代謝され、尿酸になります。

このようにプリン体は私たちの体の中で「作られている」ものですが、食品にも含まれています。「食品から摂取したプリン体」と「体内で作られたプリン体」を合わせて、体の中にあるプリン体になります。

通常、プリン体の内、7~8割は体内で作られたプリン体であると言われており、食事から摂取されるプリン体よりも多い量です。

体内でプリン体が過剰になると、尿酸値が高くなり、痛風の原因になります。痛風を防ぐためには、体内で作られるプリン体の量と食事からとるプリン体の量の両方をコントロールする必要があります。

プリン体が多く含まれている食事は?

体内で作られるプリン体の量はすぐに減らすことはできませんが、食事からとるプリン体の量は食事内容を工夫することで減らすことができます。

特にプリン体が多く含まれているものは、動物や魚の内臓(レバーや白子)です。尿酸値が高い方は、なるべく避けた方がいいでしょう。その他、肉類や魚類などにまんべんなくプリン体は多く含まれてます。焼肉などで肉類を食べ過ぎるのは避けた方がいいと思います。

ただし、肉や魚に含まれるタンパク質は大切な栄養素なので、あまり減らし過ぎるのもよくありません。ですが、卵や牛乳にはプリン体はほとんど含まれていないので、肉や魚を卵や牛乳に置き換えることは有効かもしれません。

食品に含まれるプリン体については、詳しくはこちらを参照してください。(https://www.tufu.or.jp/gout/gout4/447

体内で作られるプリン体は食品から摂取するプリン体の量よりも多いので、それをコントロールすることはより重要です。

過剰なエネルギー摂取は体内で作られるプリン体を増やすので、食べ過ぎない(エネルギーを取り過ぎない)ことがポイントです。肥満、特に内臓脂肪が増加すると尿酸値が高くなるので、肥満の方はダイエットする必要もあります。

まとめると、プリン体が多く含まれる食品には注意が必要だけれども、プリン体にかかわらず食べ過ぎないことが大切だと思います。

お酒の種類はそれほど重要ではない。お酒の量が多いことが問題だ。

「プリン体」と聞くと「ビール」を連想される方は多いのではないでしょうか。

アルコール類は、種類や銘柄により含まれるプリン体の量が異なります。ビールは比較的多くプリン体が含まれている一方で、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒にはほとんどプリン体は含まれていません。

ビール1缶(350ml)に含まれるプリン体の量は、銘柄にもよりますが大体20~40mg程度です。この量だと、1日の目標プリン体摂取量(400mg以下)からするとそれほど多い量ではありません100gの牛肉に含まれるプリン体がおよそ100mg程度なので食品によるプリン体摂取と比べると、実は大したことがないことがわかります。

それでも、ビールが尿酸値上昇や痛風発作の原因になることが多いことは有名です。おそらくそれは、ビールはたくさん飲んでしまうことが多いからだと思います。ビール1缶当たりのプリン体が大したことがなくても、2缶、3缶、・・・と量が増えてくると、プリン体の量はどんどん増えてしまいます

そして、お酒の種類にかかわらず、飲む量が多いと尿酸値が上がることも知られています。アルコール自体に、尿酸値を上げる作用があるからです。アルコールの量が増えれば増えるほど、痛風発作が起きやすいことも分かっています。

まとめると、お酒の中ではビールはプリン体が多く含まれていますが、実はその量はそれほどでもなく、アルコールをたくさん飲むことの方が問題です。ビールを他の種類に変えても、それほど大きな効果は期待できないので、ビールが好きな方は無理して種類を変えなくてもいいと思います。それよりもお酒の量に注意してください。

ちなみに尿酸値が高い方のお酒の量はビールなら500ml、日本酒なら1合、ウイスキーなら60ml程度までにしておくのが、望ましいとされています。

生活を気を付けていても尿酸値が下がらない人もいます。

ここまで、尿酸値が高い場合の食生活やお酒の飲み方について説明してきました。しかしながら、実際には食生活とは関係なく尿酸値が高いケースもとても多いです。

尿酸値が高い方は、体内でプリン体や尿酸が作られる量が多い、尿から尿酸を排泄されにくい、といった遺伝的な体質の場合があります。また、性別の差も大きく、痛風になるのは圧倒的に男性が多く、なぜか女性はほとんどいません。

肥満じゃないし、食べ過ぎ、飲み過ぎでもないのに尿酸値が高い人や、食生活を気を付けているのに尿酸値が下がらないという人は、過剰に食事制限するよりは、無理せず薬で治療するといいと思います。

生活習慣病と付き合うためには生活に気を付けることはとても大切ですが、効果が低いことを無理して我慢することはありませんし、無理は長続きしません。ビールが好きな人は、1日1缶のおいしいビールを飲んでもいいと思います。

(※ただし主治医から禁酒を指導されている場合は指示に従ってください。)

参考文献/サイトなど

https://www.tufu.or.jp

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版 

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp